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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻2号

1988年02月発行

今月の主題 消化管のアミロイドーシス(2)

主題症例

慢性関節リウマチの経過中に小腸・大腸に病変がみられた続発性アミロイドーシスの1例

著者: 清水誠治1 尾川美弥子1 水間美宏1 稲富五十雄1 多田正大1 川井啓市2

所属機関: 1京都第一赤十字病院第2内科 2京都府立医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.217 - P.221

文献概要

要旨 66歳,男性の続発性アミロイドーシスの1例を報告した.4年前より慢性関節リウマチのために消炎鎮痛剤および金剤による治療を受けていたが,水様下痢,悪心,嘔吐を認めるようになった.診察上は貧血と充進した腸蠕動音を聴取した.入院時検査所見では便潜血が強陽性で,核左方移動を伴う白血球増多,貧血,α2-gl分画の上昇を伴う低蛋白血症,赤沈充進,CRP強陽性を認め,便細菌培養は正常であった.腹部単純X線検査では著明な小腸ガス像とニボー形成がみられた.上部消化管内視鏡検査では胃角部に潰瘍を認めたものの食道,胃,十二指腸の生検では異常は認めなかった.小腸X線検査では充満像でKerckring皺襞の肥厚を,また二重造影では腸管の辺縁不整とびまん性の顆粒状透亮像がみられた.プッシュ式小腸内視鏡検査による上部空腸の観察ではKerckring皺襞の消失と粘膜面の凹凸不整,散在性の出血斑を認め,粘膜生検によりアミロイドの沈着が証明された.また,大腸X線検査では異常所見は得られなかったが,大腸内視鏡検査では下部大腸に散在性の出血斑がみられ,直腸生検によりアミロイドの沈着が証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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