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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻3号

1988年03月発行

症例

穿通性潰瘍とmucosal bridgeを伴った限局性胃巨大皺襞症の1例

著者: 高見元敞1 花田正人2 木村正治1 竹内直司1 藤本高義1 清水宏1 太田俊行1 高田俊明1 藤原彰1 奥村幸康1 堂野恵三1 吉井町子3 北原健志4

所属機関: 1市立豊中病院外科 2市立豊中病院病理 3市立豊中病院放射線科 4長堀病院外科

ページ範囲:P.298 - P.304

文献概要

要旨 穿通性胃潰瘍とmucosal bridgeを伴い,特異な病型を示した限局性胃巨大皺襞症の1例を報告した.患者は62歳の男性.50歳ごろから紅皮症に罹患し,61歳で膀胱癌の手術を受けている.1983年3月,胃体下部大彎に発生した大きな腫瘤が発見され,胃癌の診断で胃切除術が行われた.病巣の主座は胃体下部大彎にあり,10×8cm径の大きな脳回転様の腫瘤と共に,その肛側辺縁に深い穿通性の潰瘍が認められた.腫瘤の表面には,小さなmucosal bridgeが数個みられた.病理組織学的には,巨大皺襞は胃底腺の単純な過形成と粘膜下の著しいfibrosisから成っており,上記の穿通性潰瘍以外にも,数個の潰瘍が皺襞の谷間に存在していた.この病変は,単純な肥厚性胃炎に消化性潰瘍が随伴し,更にびまん性のfibrosisが加って皺襞の肥厚が助長されたものと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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