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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻3号

1988年03月発行

症例

全胃壊死を生じた1例

著者: 山本正之1 宮本正章1 辻本正彦2 虎頭廉2 西出和幸1 山吉滋1 王子佳宣1 桂田菊嗣1

所属機関: 1大阪府立病院救急医療専門診療科 2大阪府立病院病理

ページ範囲:P.311 - P.316

文献概要

要旨 患者は39歳の女性で,食後の腹痛に始まり,ショック状態に陥って当科に搬入された.初診時の内視鏡検査では,胃には出血性びらんが認められたが,潰瘍や穿孔はなかった.急性出血性膵炎として加療したが,全身状態は徐々に悪化し,第20病日に内視鏡検査で胃壊死が確認されたため,胃全摘を施行した.胃は噴門から幽門まで出血,壊死が著明であり,上半部で穿孔を生じていた.病理学的には粘膜の剝脱,粘膜下層および筋層の壊死がみられ,細胞浸潤も著明であった.食道,十二指腸には軽度のびらんが認められただけであった.胃壊死の原因としては,感染,循環不全などが推察され,従来報告されてきたものとは異なった性質のものであると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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