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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻3号

1988年03月発行

文献概要

症例

早期の胃形質細胞腫の1例

著者: 田口忠男1 桜田正也1 三村正裕1 石原運雄1 間山素行2 石堂達也3

所属機関: 1千葉労災病院内科 2千葉県がんセンター放射線診断部 3筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.323 - P.331

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要旨 患者は40歳,女性.主訴は胸やけ.肉眼的には胃体部から前庭部の粘膜が全体として粗糙で,潰瘍ないしはびらんが多発している所見を特徴とし,表層拡大型の胃悪性リンパ腫または反応性リンパ細網増多症に類似の形態と思われた.最終診断は術後の詳細な検討によってなされたが,本症例はIgM/κを単一に産生する形質細胞腫で,その深達度は一部で粘膜下層に達していた以外は胃体部から前庭部の広範な領域では粘膜内浸潤にとどまっていた.自験例は胃形質細胞腫の中でも数少ない初期像の1つと推測されるが,かかる症例の診断には病理学,免疫化学と一体化した集学的検討が要求されるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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