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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻3号

1988年03月発行

文献概要

症例

糖尿病性ケトアシドーシスに合併した虚血性小腸狭窄の1例

著者: 勝又伴栄1 雨宮光1 山本佳正1 新妻一夫1 藤田芳邦1 矢島義忠1 岡部治弥1 上田隆一2 塚本秀人2 高橋俊毅2 中英男3

所属機関: 1北里大学医学部東病院内科 2北里大学医学部東病院外科 3北里大学医学部東病院病理

ページ範囲:P.332 - P.338

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要旨 糖尿病と冠動脈硬化症を有する53歳の男性が傾眠傾向を主訴に北里大学病院に入院.糖尿病性ケトアシドーシスとうっ血性心不全の診断のもとにインスリン持続静注療法が行われた.意識状態および諸検査成績は改善しつつあったが,入院前後より腹痛発作と嘔吐を繰り返しイレウスが疑われた.第19病日の小腸X線検査で中部小腸に多発性の分節性狭窄部が発見され,その後も狭窄の進展がみられたため第47病日小腸部分切除術施行.切除標本(59cm)では全周性潰瘍と線維性壁肥厚を伴う管状狭窄が多発し,組織学的にも循環障害による小腸病変と診断された.本病変の成因として,全身性動脈硬化症とコントロール不良の糖尿病を背景に,糖尿病性ケトアシドーシスに伴う血液粘稠度や血小板凝集能の充進が増悪因子となり,虚血性小腸狭窄へ進展させたと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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