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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻3号

1988年03月発行

症例

回盲部結核の1例

著者: 中野浩1 山本尚人1 高野映子1 亀井明1 斎藤治人1 宮地育郎1 山内雅博1 堀口祐爾1 中島澄夫1 伊藤圓1 桂正剛2 川瀬恭平2 三浦馥2

所属機関: 1藤田学園保健衛生大学内科 2藤田学園保健衛生大学外科

ページ範囲:P.339 - P.344

文献概要

要旨 患者は46歳,男性.主訴は右下腹部痛である.理学的,臨床検査成績では異常所見を認めない.X線所見上は狭細化した回腸末端部に粗糙な粘膜と縦走潰瘍が認められた.内視鏡所見では回盲弁上に浅い,不整形の潰瘍がみられ,回腸末端部には縦走潰瘍がみられた.しかし,cobblestone像は認められなかった.この部より採られた生検標本には多数の非乾酪性肉芽腫があった.これらの所見は腸結核でもCrohn病でもみられる所見であり,術前に正しい診断を付けることはできなかった.切除標本では樹枝状の線状潰瘍のある長さ10cmの瘢痕帯と回盲弁上の浅い輪状潰瘍が認められた.病理組織学的には多数の非乾酪性肉芽腫が腸壁の各層にみられた.病理所見上は腸結核の診断が付いた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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