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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻3号

1988年03月発行

文献概要

症例

Ⅱa+Ⅱc型早期大腸癌の1例

著者: 岡村正造1 浅井俊夫1 山口初宏1 三竹正弘1 大橋信治1 越知敬善1

所属機関: 1豊橋市民病院内科

ページ範囲:P.345 - P.350

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要旨 患者は53歳,男性.主訴は軟便,貧血.黄疸なし,便潜血(+++),CEA(-),生化学的に肝硬変症あり,大腸X線・内視鏡検査で肝彎曲部に中央がわずかに陥凹し,辺縁部に小結節が連なる病変を認め,その表面には細かく大小不同のない模様がみられたことより,深達度の浅いⅡa+Ⅱc型早期大腸癌と診断した.右半結腸切除術を実施,肝彎曲部に周囲粘膜と同様の色調を呈する2.4×2.1cmのⅡa+Ⅱc型病変を認めた.病理学的に高分化型腺癌であったが,分化度に多様性があり,腺腫と鑑別が難しい部位も存在した.深達度はごく一部でsmに達し,ly0,v0,n(-)であった.本例は平坦な大腸癌の診断上,また大腸癌の発生を考えるうえで貴重な症例と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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