文献詳細
初心者講座 食道検査法・3
文献概要
1.食道の特殊性
食道はその存在部位や構造上,解剖学的にかなり特殊性がある.つまり胸腔内の縦隔洞という重要な臓器の存在する部位を縦走して存在することと,長い管腔臓器で漿膜がなく,極めて疎な結合組織から成る外膜に覆われているのみであることである.例えば進行した食道癌の場合,喉頭,気管,大動脈などの隣接諸臓器と腫瘍性に癒着していることがある.これらの諸臓器と腫瘍分布との位置的関係を明瞭に把握することが臨床病理学的に重要である.したがって,胃癌のように画一的な切り出し方法は適していない.
食道疾患の切除標本の病理組織検査は,その疾患の質的診断のみだけでなく,手術法の適否を評価することや,術後の予後を決定する病理学的因子を記載し,更に組織発生学的な研究の資料として記録をすることである.具体的にどのような点に留意して切り出すべきかということが問題となる.
食道はその存在部位や構造上,解剖学的にかなり特殊性がある.つまり胸腔内の縦隔洞という重要な臓器の存在する部位を縦走して存在することと,長い管腔臓器で漿膜がなく,極めて疎な結合組織から成る外膜に覆われているのみであることである.例えば進行した食道癌の場合,喉頭,気管,大動脈などの隣接諸臓器と腫瘍性に癒着していることがある.これらの諸臓器と腫瘍分布との位置的関係を明瞭に把握することが臨床病理学的に重要である.したがって,胃癌のように画一的な切り出し方法は適していない.
食道疾患の切除標本の病理組織検査は,その疾患の質的診断のみだけでなく,手術法の適否を評価することや,術後の予後を決定する病理学的因子を記載し,更に組織発生学的な研究の資料として記録をすることである.具体的にどのような点に留意して切り出すべきかということが問題となる.
掲載誌情報