icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻4号

1988年04月発行

文献概要

今月の主題 内視鏡的胃粘膜切除の臨床―ジャンボ・バイオプシーをめぐって 主題

早期胃癌に対するHSE局注を併用した内視鏡的胃粘膜切除法

著者: 平尾雅紀1 高桑良平1 河島秀昭1 池田由弘1 浅沼建樹2 升田和比古2 宮崎有広2 山口修史3 仲紘嗣4

所属機関: 1北海道勤医協中央病院外科 2北海道勤医協中央病院内科 3北海道勤医協札幌病院内科 4北海道勤医協札幌西区病院内科

ページ範囲:P.399 - P.409

文献購入ページに移動
要旨 食道および胃の腫瘍性病変に対してHSE局注を併用した内視鏡的切除法(ERHSE)を開発し臨床に応用してきた.その特徴の第1はHSE局注を併用したことと,第2はダブルスコープ方式を導入したこと,第3に切除予定線を高周波メスでマーキングし,その部分を切開したうえで切除するので切除範囲が正確であること,第4に組織を回収し病理組織学的に検討を加えることができること,である.早期胃癌113例が切除され,そのうち10例は外科的胃切除が追加された.ERHSEによる治癒切除率は91.2%であった.経過観察の103例では再発はない.累積5年生存率は85.2%である.胃腺腫(異型上皮)は28例で全例再発もなく経過観察中である.以上よりERHSEは早期胃癌などに対する内視鏡的胃粘膜切除法として優れている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?