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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻4号

1988年04月発行

文献概要

今月の主題 内視鏡的胃粘膜切除の臨床―ジャンボ・バイオプシーをめぐって 主題

病理学的立場からみた胃粘膜部分切除の評価

著者: 中村恭一1 石堂達也1 伴慎一1 大倉康男1

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.411 - P.417

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要旨 粘膜部分切除の適応とその粘膜部分切除組織所見について,病理組織学的観点から若干の考察を行った.ある病変がX線・内視鏡的に発見され,そしてその病変が粘膜部分切除に適していると判断された場合には,その組織診断と治療を兼ねてすぐに粘膜部分切除を行うことなく,まず生検を行ってその病変の質的診断を把握しておくことが必要である.粘膜部分切除標本の断端の組織学的判断は,その断端の人工的組織破壊層の内縁を基準として行う.粘膜下組織浸潤の有無の推定には癌組織発生の観点から,客観的に把握できる癌の所見,存在部位〔幽門腺粘膜領域,腺境界領域,胃底腺粘膜領域〕,大きさ〔1cm以下,1.1~2cm〕,肉眼形態〔陥凹型,隆起型〕,組織型〔未分化型癌,分化型癌〕の4要素から成る粘膜下組織浸潤推定のためのdecision treeを作成し,それに基づいて確率的に判断することが必要である.各病変の胃粘膜部分切除後の対処について述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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