icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻4号

1988年04月発行

文献概要

症例

家族性大腸腺腫症に対する大腸切除術後に合併した小腸Crohn病の1手術例

著者: 中野龍治15 宮本祐一1 下田悠一郎2 内田哲3 米村智弘4 森松稔5

所属機関: 1佐賀県立病院好生館病理検査科 2佐賀県立病院好生館放射線科 3佐賀県立病院好生館内科 4佐賀県立病院好生館外科 5久留米大学医学部第2病理

ページ範囲:P.447 - P.453

文献購入ページに移動
要旨 22歳,男性.家族性大腸腺腫症の家系であったため,約3年7か月前に大腸亜全摘術を受けている.今回,突然の下血にて入院,吻合部潰瘍の診断で病変部回腸切除術を受けた.切除回腸に全層性炎症,亀裂を伴う潰瘍,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた.また術後早期に再発し,内科的治療に反応したことや,そのX線・内視鏡所見から,Crohn病と確診した.本症例は家族性大腸腺腫症に合併したCrohn病としては第1例目と思われる.両疾患発症に直接の因果関係はないものと思われるが,本症例におけるCrohn病発症には,吻合部における何らかの障害が誘因となった可能性もあると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?