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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻5号

1988年05月発行

文献概要

今月の主題 胃・十二指腸潰瘍と超音波内視鏡 主題

胃潰瘍の超音波内視鏡所見と病理所見との対比

著者: 成澤林太郎1 柳澤善計1 阿部実1 秋山修宏1 富樫満1 植木淳一1 市田文弘1 岩渕三哉2 渡辺英伸2

所属機関: 1新潟大学医学部第3内科 2新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.487 - P.494

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要旨 ホルマリン固定切除胃を用い,超音波内視鏡検査(以下EUSと略)による胃潰瘍の深さの判定を試みた.まず,EUSでの胃潰瘍の深さに対する診断基準を作るため,切除標本にUl-Ⅱ,Ⅲ,Ⅳに相当する組織欠損を作製し,これを水浸下で走査しEUS像を得た.潰瘍瘢痕は作製が困難であったため,それらの典型的な組織像からEUS像を類推し,EUSによる潰瘍の深さのシェーマを作成した.この診断基準に沿って切除標本31症例41病変に対しEUSを行ったところ,開放性潰瘍では90%の正診率が得られたが潰瘍瘢痕のそれは71.4%であった.誤診例の検討では層構造の描出が困難な場合と,線維症および筋線維の錯綜のための層構造の不明瞭化による場合があり,線維症によるエコーレベルの変化を更に検討することが今後の課題と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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