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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻5号

1988年05月発行

文献概要

今月の主題 胃・十二指腸潰瘍と超音波内視鏡 主題

超音波内視鏡による胃潰瘍の深さの判定

著者: 山中桓夫1 吉田行雄1 上野規男1 笠野哲夫1 木村健1 望月真2 斉藤建2

所属機関: 1自治医科大学消化器内科 2自治医科大学病理

ページ範囲:P.495 - P.501

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要旨 胃潰瘍の深さの臨床的判定は,潰瘍病変と胃壁の粘膜層,粘膜下層,固有筋層との関係から病理学的に判定する村上の分類を基準にして行われている.超音波内視鏡は,村上の分類による深さの判定の指標となる胃壁層構造と,潰瘍の断層像を明瞭に描写可能なことから,村上の分類に準じた潰瘍の深さの臨床的判定方法として有力である.すなわち,第3層(粘膜下層)に変化が及ぶものの,断裂を認めないときはUl-Ⅱ,第3層の断裂が確認されながら,第4層(固有筋層)あるいは第5層(漿膜)の連続性が認められればUl-Ⅲ,第4,5層の断裂が確認されればUl-Ⅳと判定される.この超音波内視鏡による潰瘍の深さの判定は潰瘍治癒の難易性の予測,更には治療の選択に重要な情報を提供するものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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