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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻5号

1988年05月発行

症例

上部食道括約筋直下に存在した孤立性異所性胃粘膜の2症例

著者: 森田雅範1 秋澤玲子1 鍵山惣一1 田村智1 坂本芳也1 中田博文1 中澤慶彦1 岡崎和一1 山本泰朗1 山本泰猛1 中村眞一2

所属機関: 1高知医科大学第1内科 2高知医科大学附属病院中央検査部病理

ページ範囲:P.539 - P.542

文献概要

要旨 上部食道に孤立性に存在する異所性胃粘膜は,胎生期の円柱上皮から扁平上皮への置換不全が成因とされる.その頻度は欧米では約4%,本邦では内視鏡的に0.45%が診断されるにすぎず,大部分はいずれも径5mm以下と小さい.今回報告した2症例中,第1例(44歳男性)は心窩部不快感などの症状を有し,内視鏡で上部食道に孤立性赤色調粘膜域を認め,コンゴーレッド法による酸分泌能および生検組織で壁細胞を含む胃粘膜を証明した.第2例(43歳男性)は,内視鏡検査の際,偶然上部食道に赤色調粘膜(径約1cm)を発見し,生検により壁細胞を含まない胃粘膜を証明した.本病変より発生した腺癌の報告もあり,今後2症例の厳重な経過観察が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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