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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻5号

1988年05月発行

文献概要

症例

短期間に著明に自然縮小した胃原発悪性リンパ腫の1例

著者: 重松明博1 飯田三雄1 桑野恭行1 岡田光男1 渕上忠彦1 藤島正敏1 伊藤英明2 黒岩重和3

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第1外科 3九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.548 - P.554

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要旨 患者は40歳,女性.空腹時心窩部痛を主訴に来院し,初診時のX線,内視鏡検査で胃前庭部大彎に平皿状の腫瘍を認め,生検診断とも併せて悪性リンパ腫と診断された.初診より40日後の内視鏡検査で腫瘍は著明に縮小し,65日後の胃切除標本では,病変は肉眼的には治癒期の消化性潰瘍のごとくであった.組織学的にはUl-Ⅱの潰瘍底の肉芽組織の中に径2mmの悪性リンパ腫の微小病巣を認めた.本例は潰瘍化を契機に自然縮小し,腫瘍がほとんど消失に近い状態まで至ったまれな症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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