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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻5号

1988年05月発行

文献概要

症例

stomal polypoid hypertrophic gastritis(SPHG)に発生したⅠ+Ⅱb+Ⅱc型早期胃癌の1例

著者: 古賀淳1 安部隆二1 伊達弘一2 中村義彦1 川嶋正通1 浜中保三1 光山昌珠1 玉江景好1 黒川喜勝1 坂田正毅1 緒方徹1 豊島里志3

所属機関: 1北九州市立小倉病院外科 2北九州市立小倉病院がんセンター内科 3北九州市立小倉病院病理

ページ範囲:P.555 - P.560

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要旨 胃潰瘍のためBillroth Ⅱ法の胃切除を受け,24年経過後残胃吻合部に,ほぼ半周性にⅠ+Ⅱb+Ⅱc型早期癌(高分化~低分化腺癌,sm)の発生をみた54歳,男性の症例を報告した.癌周囲を含む吻合部に吻合部肥厚性胃炎(stomal polypoid hypertrophic gastritis)の所見がみられ,癌は隆起部分(30×20mm)で塊状に粘膜下層に浸潤し,ⅡbやⅡc部分では主に粘膜上半分に存在していた.吻合部の胃炎性変化,すなわちgastritis cystica polyposaや,stomal polypoid hypertrophic gastritisを母地として発生したと考えられたこれまでの本邦報告例を一括し,本報告例と共にその臨床病理学的特徴を調べ,吻合部癌の組織発生について検討した.その結果,吻合部の胃炎性変化の表層上皮の未分化腺窩上皮からの癌化であることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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