icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻5号

1988年05月発行

症例

潰瘍性大腸炎の残存直腸に発生したdysplasiaの1例

著者: 杉田昭1 福島恒男 諏訪寛1 大出直弘1 増沢成幸1 山崎安信1 土屋周二1 竹村浩2

所属機関: 1横浜市立大学医学部第2外科 2済生会南部病院外科

ページ範囲:P.561 - P.564

文献概要

要旨 潰瘍性大腸炎の結腸全摘,回腸直腸吻合術後,残存直腸にdysplasiaの発生した1例を経験した.患者は62歳の女性,全結腸炎型で,発症後14年で上記手術を行い,緩解を維持していたが,発症後29年して残存直腸に広範な,丈の低い隆起性病変を認めた.この病変は周囲との境界が不明瞭,表面は凹凸不整で,一部にポリープ様突出があり,ポリベクトミーおよび多数の生検によってRiddellらの述べるlow grade dysplasiaと判定した.周囲の直腸粘膜は緩解期の像を示した.潰瘍性大腸炎術後の残存直腸に発生した癌,dysplasiaの報告は本例も含めて本邦では3例であるが,経過年数と共に増加する可能性があり,定期的内視鏡検査によるdysplasiaの早期発見が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら