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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻5号

1988年05月発行

研究

実体顕微鏡による微小胃癌の診断

著者: 牧野哲也1 西沢護1 中村恭一2

所属機関: 1東京都がん検診センター 2筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.571 - P.576

文献概要

要旨 微小胃癌の診断限界を知るため切除胃を実体顕微鏡で観察後,病理組織学的検索をした633例について,大きさを(A)3mm未満,(B)3≦~≦5mm,(C)5<~≦10mm,に分け発見方法を臨床検査,実体顕微鏡観察および病理組織学的検索とに分類し検討した.臨床,実体までを診断可能とすると,(B)は29病変中17病変,発見率59%,(A)は19病変中2病変11%と低い.表面の形態を実体顕微鏡でみると5,4mmでははっきりした癌の特徴をとるが,3mmではわずかになり,2mmでははっきりしない.以上より3mmの大きさが診断限界と考えた.領域別では幽門腺領域で40病変中18病変(45%),胃底腺領域で8病変中1病変(13%)と発見率は低い.胃底腺領域の微小胃癌の発見はかなり困難である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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