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研究
文献概要
要旨 微小胃癌の診断限界を知るため切除胃を実体顕微鏡で観察後,病理組織学的検索をした633例について,大きさを(A)3mm未満,(B)3≦~≦5mm,(C)5<~≦10mm,に分け発見方法を臨床検査,実体顕微鏡観察および病理組織学的検索とに分類し検討した.臨床,実体までを診断可能とすると,(B)は29病変中17病変,発見率59%,(A)は19病変中2病変11%と低い.表面の形態を実体顕微鏡でみると5,4mmでははっきりした癌の特徴をとるが,3mmではわずかになり,2mmでははっきりしない.以上より3mmの大きさが診断限界と考えた.領域別では幽門腺領域で40病変中18病変(45%),胃底腺領域で8病変中1病変(13%)と発見率は低い.胃底腺領域の微小胃癌の発見はかなり困難である.
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