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研究
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要旨 低分化腺癌から成るⅠ型早期胃癌7例の臨床病理学的特徴を探求するために,高分化管状腺癌から成るⅠ型早期胃癌21例と比較観察した.前者では後者に比し,患者の平均年齢が低く,女性の割合が多く胃の高位に存在することが多かった.低分化腺癌では全例が粘膜下層まで浸潤を来しており,組織学的には髄様型癌で,腫瘍細胞は充実胞巣状に増殖していた.また,間質には血管が豊富で,滲出性間質反応が高度であった.リンパ節転移や肝転移のみられた例はなく,癌以外の原因で死亡した2例を除く全例が健在である.なお,これらの中には高度の貧血および低蛋白血症を示す例が1例,神経内分泌顆粒陽性細胞が多数みられる例が1例あった.
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