icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻6号

1988年06月発行

今月の主題 びまん浸潤型大腸癌と転移性大腸癌

主題症例

特異な組織反応を伴ったびまん浸潤型大腸癌の1例

著者: 中野孚1 丸田守人1 青木春夫1 笠原正男2

所属機関: 1藤田学園保健衛生大学消化器外科 2藤田学園保健衛生大学第1病理

ページ範囲:P.645 - P.653

文献概要

要旨 患者は41歳,男性.主訴は便柱狭小化と排便回数増加.注腸検査では,直腸上部からS状結腸にかけて12cmの鉛管状狭窄を認め,CT検査では,腸管壁の全周性肥厚と周囲への浸潤像を認めた.内視鏡検査および血管造影では炎症性疾患が示唆される所見であった.摘出標本の肉眼所見では狭窄部は巨大皺襞様に不整に隆起し,中央部に隆起性腫瘤がみられ,組織学的には高分化腺癌より成る腫瘍と炎症巣が粘膜下層を中心に広範にあり,またCrohn病様病変がみられた.病理組織学的検討の結果,高分化腺癌に炎症性細胞浸潤を伴ったことより,Crohn病様病変を生じたびまん浸潤型大腸癌であり,高分化腺癌のびまん浸潤型の発育形式などに多くの示唆が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら