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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻7号

1988年07月発行

文献概要

今月の主題 微小胃癌診断―10年の進歩 主題

微小胃癌の診断学的問題点―主としてX線の立場から

著者: 渕上忠彦1 桑野泰行2 岩下明徳3 富永雅也1 飯田三雄2 八尾恒良4

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2九州大学医学部第2内科 3松山赤十字病院病理 4福岡大学医学部筑紫病院内科

ページ範囲:P.741 - P.756

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要旨 術前に診断されたか,または切除標本で肉眼的に識別可能な微小胃癌51病変を対象として病理学的特徴像と診断の実状を分析し,それに基づき微小胃癌発見のための指標を考察した.①微小胃癌で悪性を疑わせる像は,小区1個単位における段差と細りであり,この所見が隣接する小区間で融合し明瞭な悪性像となる.②ルーチンX線検査による拾い上げ診断能は術前で32%,見直しで約60%であった.③精密X線検査では全病変がほぼ肉眼像に近い形で描出できたが,肉眼像よりむしろX線像のほうが悪性像を読みやすい病変があった.この最大の原因は再生上皮の影響と考えられた.④X線検査で微小癌を見つけるには小区像の読める二重造影像を撮ることが基本であり,小区1個単位の綿密な読影が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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