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今月の症例
最大径11mmのⅡc様進行大腸癌の1例
著者: 哲翁和博1 中原束1 山本勉1 八尾恒良1
所属機関: 1福岡大学第1内科
ページ範囲:P.828 - P.830
文献購入ページに移動〔大腸内視鏡所見〕通常のS状結腸内視鏡(CF-10L,Olympus)では,肛門縁より50cmの部位に発赤を認めたが,正面視しえず全貌を明らかにできなかった(Fig. 1a).そこで現在用いていない胃用側視鏡(GF-B4,Olympus)を用いて観察した.病変は辺縁がやや盛り上がり,その内側はわずかに陥凹し,まだらな発赤調を示し,胃癌で言うⅡa+Ⅱc様の所見を呈した(Fig. 1b).インジゴカルミン散布像では病変と周辺健常部との粘膜性状の相違が明らかになった(Fig. 1c).送気を減ずることにより病変とHaustraとの高さの差が減少し,病変辺縁の隆起が目立たなくなった(Fig. 1d).同時に実施した生検組織の病理診断は高分化腺癌であった.
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