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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻8号

1988年08月発行

文献概要

今月の主題 小さな膵癌―小病変の鑑別診断をめぐって 誌上パネルディスカッション 主題症例

膵炎症状を初発とした小膵癌の1例

著者: 大岩孝幸1 横地眞1 池田和雄1 水野清1 大石真広2 上松俊夫2 岩瀬正紀2 北村宏2 小栗孟2 津崎修2 東克謙3 宮治眞3 武内俊彦3 喜納勇4

所属機関: 1磐田市立総合病院消化器科 2磐田市立総合病院外科 3名古屋市立大学医学部第1内科 4浜松医科大学第1病理

ページ範囲:P.833 - P.838

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要旨 膵炎症状を初発とした小膵癌の1例を経験した.患者は59歳,女性.主訴は心窩部痛.血清・尿アミラーゼの軽度上昇と,USでは膵管の軽度拡張を認めた.ERCPでは膵頭部主膵管に長さ約5mmの狭窄像があり,その尾側膵管は軽度拡張していた.狭窄部の所見より膵頭部癌と診断,膵頭十二指腸切除術を施行.病理学的には膵頭部の7×6×5mmの中等度分化型管状腺癌であった.膵癌の早期診断,小膵癌の発見のためには,随伴性膵炎症状やそれに伴うアミラーゼの上昇を捉え,積極的にUS,ERCPを施行することが重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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