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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻8号

1988年08月発行

文献概要

今月の主題 小さな膵癌―小病変の鑑別診断をめぐって 誌上パネルディスカッション 主題症例

腺腫からの癌化が示唆された膵管内乳頭腺癌の1例

著者: 松井亮好1 水野成人1 芦原亨1 早雲孝信1 水間美宏1 西村和彦1 趙栄済1 安田健治朗1 吉田俊一1 藤本荘太郎2 中島正継2 加藤誠3 徳田一 加藤元一

所属機関: 1京都第二赤十字病院消化器科 2京都第二赤十字病院外科 3京都第二赤十字病院病理検査部

ページ範囲:P.842 - P.847

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要旨 膵頭部膵管一次分枝に発生した膵管内乳頭腺腫の一部に乳頭腺癌を含む症例を経験した.患者は52歳,女性.1986年5月当院人間ドック受診し,腹部超音波断層法(US)で膵頭部の腫瘤と主膵管の拡張を指摘され,当科に入院した.内視鏡的超音波断層法(EUS)および内視鏡的逆行性胆膵管造影法(ERCP)で嚢胞状に拡張した膵頭部膵管一次分枝内に充実性の腫瘤を認めた.親子方式経口的膵管内視鏡検査(PPS)で膵管一次分枝内に乳頭状に発育した有茎性の腫瘍が観察され,直視下生検で乳頭腺癌と診断された.膵頭十二指腸切除術による病理組織学的検索では,腫瘍の大部分は膵管内乳頭腺腫であったが,一部にはsevere dysplasiaが認められ,更に一部は高分化型乳頭腺癌の組織像を呈した.本例は膵管内乳頭腺腫の癌化を示唆する極めて興味ある症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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