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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻8号

1988年08月発行

文献概要

今月の主題 小さな膵癌―小病変の鑑別診断をめぐって 誌上パネルディスカッション 主題症例

膵管内に限局した10mmの微小膵癌の1例

著者: 猪狩功遺1 有山襄1 須山正文1 小川薫1 長岩治郎1 藤井大吾1

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.879 - P.883

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要旨 膵管内に限局した10mmの膵体部癌を経験したので報告した.患者は49歳の男性で,下痢,体重減少を主訴として入院した.入院時の血液検査成績でGOT,GPT,LAPの軽度上昇がみられたが,膵酵素,腫瘍マーカーは正常範囲であった.US,CTでも膵に異常は認めず,上部,下部消化管の検査でも明らかな病変は認められなかった.症状が持続するためERCPを施行し,体部主膵管に不整な狭窄を認め,その尾側膵管も数珠状に拡張していた.血管造影では明らかなencasementはみられなかったが,膵管像から膵癌が強く疑われたため,膵体尾部切除術を行った.組織学的検索で,主膵管およびその分枝に限局した高分化型腺癌が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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