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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻8号

1988年08月発行

文献概要

症例

大量下血を繰り返し興味ある病理組織像を呈した空腸良性腫瘍の1例

著者: 加藤俊夫1 吉村平2 北川達士3 日置図南3 西脇寛3 平野忠則4 三浦力1 伊藤佳之1 石倉紀男5 西村誠5 遠山豪5

所属機関: 1遠山病院外科 2三重大学医学部中検病理 3三重大学医学部第2外科 4三重大学医学部放射線科 5遠山病院内科

ページ範囲:P.889 - P.894

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要旨 下血を繰り返した27歳男性例である.小腸X線,内視鏡検査で,Treitz靱帯から35cmの部に3.5×3×3.5cmの腫瘤を発見し手術を行った.切除標本の肉眼所見で,腫瘤は基部を正常粘膜で覆われた粘膜下腫瘍様であるが,頂部は粗大結節状で上皮性腫瘍を思わせた.組織像では,表層部は小腸粘膜,胃腺窩,Brunner腺上皮などから成る腺成分の増生と,その間に入り込んだ平滑筋成分の増生が目立ち,基部では平滑筋細胞のmonotonousな増生が主体で,これらが一体となって1つの腫瘤を形成していた.従来の報告例で本例を明確に説明しうるものはみられず診断に窮したが,病理組織学的特徴からWoodの報告したadenoleiomyomatous hamartomaの一型と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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