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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻8号

1988年08月発行

文献概要

症例

興味ある形態を呈した肥厚性胃炎の1例

著者: 寺崎正起1 長谷川洋1 岩瀬弘明2 佐井昇2 伴野仁2 駒田康成2 渡辺善明2 大久保真二2 岡本一男1 星昭二3 褚賛発4

所属機関: 1静岡済生会総合病院外科 2静岡済生会総合病院消化器内科 3静岡済生会総合病院病理 4褚内科医院

ページ範囲:P.901 - P.907

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要旨 患者は胃幽門前庭部の結節性病変を指摘され入院した33歳の男性である.入院時胃透視にて結節性病変を認め,小彎側胃角から幽門輪を中心に“けば立ち”様所見がみられた.内視鏡検査では,病変は幽門部に限局しており,病変の表面は平滑で,びらん,潰瘍は認めなかった.大きさは不同で,径約1~2cmであった.生検組織診では腺窩上皮の過形成を認めるのみであり,非上皮性腫瘍が強く疑われた.1986年7月8日手術を施行した.新鮮切除標本では,病変の表面は粘液分泌を示しており,幽門前庭部に密に存在していた.割面では粘膜は肥厚していたが,固有胃腺は正常であった.以上により本症例は,1973年Mingが提唱したhyperplastic gastropathyと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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