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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻8号

1988年08月発行

文献概要

症例

胆囊胃瘻に併存した胆囊癌の1例

著者: 丸山道生1 小原徹也1 岡本篤武1 江川直人2 近藤博満2 望月真3 滝沢登一郎3 小池盛雄3

所属機関: 1東京都立駒込病院外科 2東京都立駒込病院消化器内科 3東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.908 - P.914

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要旨 特発性内胆汁棲のうち,胆囊胃瘻はまれである.われわれは,陳旧性の胆囊胃瘻に比較的早い時期の胆囊癌が併存していた興味ある1例を経験した.患者は72歳,男性.健康診断の胃X線検査で異常を指摘され,精査の結果,胆囊胃瘻と診断された.胆囊底部と胃前庭部前壁が強固に癒着しており瘻孔を形成していた.胆囊摘出および胆囊胃瘻部の胃部分切除が施行された.病理組織学的検索で胃粘膜に接して胆囊胃瘻胆囊側に肉眼診断が困難な平坦な胆囊癌が認められた.胆囊癌は1か所で筋層をわずかに越えていた.既往歴より胆囊胃瘻は約30年前に発生したと考えられ,組織学的にも陳旧性のものであった.胆囊癌の発生を考えるうえで貴重な症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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