icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻9号

1988年09月発行

文献概要

今月の症例

Ⅱa集簇型早期大腸癌の1例

著者: 多田正大1 清水誠治1 伊志嶺玄公2

所属機関: 1京都第一赤十字病院第2内科 2京都第一赤十字病院外科

ページ範囲:P.940 - P.942

文献購入ページに移動
 〔症例の概要〕患者は43歳,主婦.主訴は肛門出血.現病歴として2か月前から排便時に新鮮血の排泄を認めるようになり来院した.

 〔注腸X線所見〕直腸にⅡa様の比較的平坦な

隆起性病変が指摘された.少し第2斜位をかけて撮影すると,腸壁に一側変形があることがわかる(Fig. 1).また,隆起部は細かな顆粒状の病変が集簇したような形を呈しており,隆起の一部は更に大きく突出している.この病変部を正面視しようと試みたが,S状結腸や回腸終末部と重なり,病変部の正確な把握が困難であった.そこで患者の体位はそのままで,X線を35°の斜めから照射すると病変部の正面像の描出が可能となった(Fig. 2).隆起の辺縁部の境界は一部で不明瞭であるが,中心に陥凹を思わせる所見はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?