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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻9号

1988年09月発行

文献概要

症例

範囲の発赤のみを呈し約8か月後に縮小をみた直腸のmucosal prolapse syndromeの1例

著者: 牧山和也1 田中俊郎1 千住雅博1 久保啓吾1 山崎和文1 岩永整磨1 水田陽平1 林田研司1 伊津野稔1 村田育夫1 今西建夫1 原耕平1

所属機関: 1長崎大学医学部第2内科

ページ範囲:P.981 - P.984

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要旨 患者は58歳男性で,主訴は便に粘液が付着することであり,排便時間が長く,また,いわゆるstrainerであった.注腸X線検査では異常なかった.大腸内視鏡検査で下部Houston弁直上の前壁寄りに,大きさが約2.0×0.5cmの長円形の発赤した領域を認めた.鉗子生検により,特徴的なfibromuscular obliterationの所見を得,直腸のmucosal prolapse syndrome(いわゆるsolitary ulcer syndrome of the rectum)と診断した.その後,この小病変は排便時間を短縮することによって,約8か月後に長径が約1.0cmに縮小した.これらのことにより本症における初期病変は,小範囲の平坦で発赤した異常であり,経時的に変化し粗大病変へと増悪したりあるいは縮小したりするものであることが予測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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