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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻9号

1988年09月発行

文献概要

症例

直腸の隆起性過誤腫性病変の1例

著者: 林雄三1 日高徹2 奥原種臣2 西廻和春3 笹尾哲郎3 岩森茂3

所属機関: 1広島市立安佐市民病院病理部 2広島市立安佐市民病院内科 3広島市立安佐市民病院外科

ページ範囲:P.985 - P.991

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要旨 排便時の出血を主訴とする40歳の男性の直腸に内視鏡で表面結節状の隆起性病変が認められ切除手術を受けた.病変は肛門より7cmの部位から全周性に12×5cmの範囲にわたる暗赤色の隆起であり,病理組織学的に粘膜下組織は著明に肥厚を示し,同部には壁の肥厚を示す動静脈および腫大した神経叢と太い神経線維束,更に脂肪組織,膠原線維などの増生が認められ,また,粘膜も肥厚を示し,軽度のfibromusculosisの像がみられた.この病変はmucosal prolapse syndrome of rectumやangiodysplasiaなどの疾患とは種々の点で異なっている.筆者らは本症例の病変は本来同部に存在する諸組織の混在した増生であることから過誤腫性の変化とみなしelevated hamartomatous lesion of the rectumと表現したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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