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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻9号

1988年09月発行

文献概要

症例

villous tumor様形態を呈した大腸炎症性腫瘤の1例

著者: 小池光正1 中澤三郎1 芳野純治1 中村常哉1 後藤秀実1 山中敏広1 福井明1 長谷智1 小島洋二1 中島伸夫2 深津俊明2

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科 2名古屋大学検査部病理室

ページ範囲:P.992 - P.998

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要旨 患者は53歳,男性.主訴は非粘血性下痢.臨床検査成績では白血球増多を認め,便潜血反応陽性であった.X線像・内視鏡像および標本の肉眼像で上行結腸肝曲部に7×5×2cmの大きな腫瘤を認め,その表面は比較的粒子の揃った小円形顆粒より成り,絨毛腫瘍に酷似した像を呈していた.また,腫瘤より肛門側の横行結腸から下行結腸にかけて扁平な小隆起を散在性に認めた.病理組織学的に腫瘤は炎症性腫瘤であり,粘膜筋板の乱れ,粘膜下層の線維化と血管拡張,陰窩膿瘍,Paneth cell metaplasiaが認められ,小隆起病変でも同様の変化がみられた.肉眼的に明らかな異常を認めない粘膜にも炎症性変化がみられ,潰瘍性大腸炎との関連が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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