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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻9号

1988年09月発行

文献概要

症例

広汎な全身転移を伴った有茎性大腸進行癌の1剖検例

著者: 谷口英人1 中村正樹1 菊地直人1 本間章1 星野清志1 小泉浩一1 並木真生2

所属機関: 1代々木病院内科 2代々木病院病理科

ページ範囲:P.1014 - P.1018

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要旨 大腸内視鏡の進歩に伴い大腸癌の発生および発育・進展に関しての研究が急速な進歩を遂げている。われわれは呼吸不全で死亡した72歳男性の剖検例において肉眼的に下行結腸に小指頭大の有茎性ポリープであるにもかかわらず,組織学的にはstalk invasionから更に漿膜下まで癌が浸潤し,かつ肺,リンパ節,骨をはじめ広範な全身転移を認めた1例を経験した.大腸の早期癌が進行癌へ発育・進展していく経路には現在2つの主要経路が考えられているが,本症例のようにIp型癖の頭部が脱落し無茎性sm癌になることなく,筋層・漿膜下へ浸潤し,かつ広範な全身転移を来した報告はなく,大腸癌の発育・進展を考えていくうえで興味深い症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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