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文献詳細

雑誌文献

胃と腸23巻9号

1988年09月発行

症例

初診時より経過を追い早期癌と広汎なdysplasiaと診断した潰瘍性大腸炎の1例

著者: 小形滋彦1 長廻紘2 野上厚2 田中俊夫2 吉利彰洋2 野方尚2 五十嵐達紀2 亀岡信悟3 由里樹生3 長谷川かをり4 秋本伸4 浜野恭一3 羽生富士夫3

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科 2東京女子医科大学消化器病センター内科 3東京女子医科大学第2外科 4東京女子医科大学第2病理

ページ範囲:P.1019 - P.1022

文献概要

要旨 37歳の男性.22歳時(1972年)に全結腸型の潰瘍性大腸炎で発症し再燃寛解を繰り返していたが,1981年ごろからはほとんど症状がなくなった.定期的に経過観察中,1986年11月コロノスコープでS状結腸に1cm大の隆起性病変が発見され,生検で高分化腺癌と診断された.1987年1月,全結腸切除回腸直腸吻合術が行われた。切除標本で癌は粘膜内にとどまる早期癌であったが,癌周囲の広い領域や下行結腸の粘膜にdysplasiaが認められた.dysplasiaを示した粘膜は,コロノスコープでは平坦な粘膜で血管透見像も認められた.本例は潰瘍性大腸炎の初発より経過観察を行い,定期的な内視鏡検査を行った結果,早期癌を発見しえた貴重な症例と考え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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