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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻1号

1989年01月発行

文献概要

今月の主題 噴門部陥凹型早期胃癌の診断 主題

噴門部陥凹型早期胃癌の見つけ出し診断―内視鏡的立場から

著者: 高木國夫1 太田博俊1 竹腰隆男2 大橋計彦2 馬場保昌2 小沢昭一3

所属機関: 1癌研究会附属病院外科 2癌研究会附属病院内科 3小沢胃腸科

ページ範囲:P.13 - P.22

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要旨 噴門部陥凹型早期胃癌の診断は従来から困難で,特にEGJ近傍の小さいⅡcの報告は少ない.癌研病院外科で1978~1987年の10年間に切除した胃上部陥凹型早期癌111例中にEGJから2cm以内にとどまるⅡc(噴門部Ⅱc)はわずかに4例(5.6%)であった.4例中2例は単発病変であったが,他の2例は胃下部のⅡcの術前精査中に噴門部Ⅱcが発見された.4例のⅡcの肉眼的形態は,小彎径に比して前後径が大きくて,小彎に直角の方向に細長い拡がりを示し,組織型は全例分化型腺癌で,潰瘍性病変を認めなかった.4例の発見契機は1例がⅡc+Ⅱaの形態でsmの浸潤を示し,X線検査で発見されたが,他の3例は内視鏡検査で噴門直下に発赤を示すびらんとしてチェックされた.1例は直視鏡によるJターンの観察で発見され,1例はGTFの反転写真でチェックされ,残りの1例は側視鏡のダウンによる観察で発見された.噴門部Ⅱcの発見は内視鏡的立場から,噴門直下の発赤したびらん性病変に注目すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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