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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻1号

1989年01月発行

文献概要

今月の主題 噴門部陥凹型早期胃癌の診断 主題

噴門部陥凹型早期胃癌の見つけ出し診断―内視鏡の立場から

著者: 鈴木茂1 山下由起子1 笹川剛1 太田代安律1 横山聡1 橋本洋1 光永篤1 屋代庫人1 勝呂衛1 長廻鉱1 鈴木博孝1 黒川きみえ1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.23 - P.32

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要旨 食道胃接合部より2cmまでの噴門の早期胃癌は41例で,23例が陥凹型で,これは全早期胃癌の15%,胃上部(C)早期胃癌の14.6%,陥凹型の20.4%で,他領域に比し陥凹型の頻度は低い.また,男性が圧倒的に多く,分布は前壁の1病巣を除く22病巣が小彎から後壁に分布し,未分化型癌が小彎側に多かった.診断は小彎10病巣中8病巣が前方視式で,後壁の10病巣中9病巣が側視式でなされた.これは小彎側の病巣は前方視式が,後壁側は側視式が観察しやすいとも理解される.また,接合部から病巣の肛側縁までが1cm以内のものは食道側からの前方視式での直接観察が,2cmまでは前方視,側視いずれでも直接観察に加えて反転近接観察が必要で,2cm以上では通常観察で十分であるという結果も得られた.それゆえ,この部位の陥凹型の発見には,このことを十分に理解した内視が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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