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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻1号

1989年01月発行

文献概要

症例

十二指腸に逸脱した巨大胃腺腫の1例

著者: 折居正之1 山田宏之1 菅井有1 寺崎公二1 片山左登志1 狩野敦1 佐藤俊一1 石井隆2 佐藤雅夫3 天野一之3 小高庸一郎3 寺島雅典3

所属機関: 1岩手医科大学医学部第1内科 2石井内科消化器科医院 3岩手医科大学第1外科

ページ範囲:P.93 - P.99

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要旨 患者は78歳,女性で,心窩部痛,嘔気,嘔吐の出現後タール便がみられた.胃X線検査では十二指腸球部に逸脱した巨大な胃隆起性病変で,内視鏡では表面粗大顆粒状の巨大な乳頭状腫瘍であった.悪性を疑って胃幽門側切除術を施行した.腫瘍は9×8×5cmで表面は粗大顆粒状であるが柔らかく,潰瘍形成はみられなかった.組織学的には,腫瘍は多数の粘膜筋板の挙上を伴う小隆起性病変の集合したもので,核の濃染する高円柱状異型細胞の乳頭状ないし管状の増殖を示していた.明らかな癌化巣はみられず,胃大腸型腺腫(喜納,中村),papillotubular adenoma(WHO)と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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