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十二指腸に逸脱した巨大胃腺腫の1例(折居正之,他)
著者: 喜納勇1 折居正之2 中村恭一3 渡辺英伸4
所属機関: 1浜松医科大学第1病理 2岩手医科大学第1内科 3筑波大学基礎医学系病理 4新潟大学第1病理
ページ範囲:P.99 - P.101
文献購入ページに移動adenomaとしては極めて奇妙な形を示す病変である.マクロの写真で見る限り,中央に表面顆粒状の赤っぽい隆起があり,そのまわりに変色のあまりない比較的低い隆起があり,全体として“巨大“な隆起性病変を形成している.
組織学的には,低い隆起は比較的異型が弱く,中央の高い隆起ではFig. 5dで示されるごとく強い異型を示している.筆者の考えでは,肉眼的にも,組織学的にも高い隆起の部分は癌と判定すべきである。この部分に関してはあまり意見の違いが病理の中でもないものと思われる.したがって,問題は低い隆起の部分である.ミクロの写真ではFig. 5aは癌とはしがたい.腺腫性成分と考える.Fig. 5bは写真の質もあまりよくないが癌とみなされる.Fig. 5cは病変の境界であるので判定を避けたい.なぜならば,明らかな高分化腺癌の病変の端でもしばしば分化が増し腺腫様腺管を形成するからである.
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