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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻10号

1989年10月発行

今月の主題 分類困難な腸の炎症性疾患

主題症例

急性GVHD(Graft-Versus-Host Disease)の腸病変の1例

著者: 屋代庫人1 長廻紘1 田中俊夫1 佐藤秀一1 斉藤博2 押味和夫2 溝口秀昭2 丸山正隆3

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター 2東京女子医科大学血液内科 3聖路加国際病院消化器内科

ページ範囲:P.1137 - P.1143

文献概要

要旨 GVHD(Graft-Versus-Host Disease)は骨髄移植後や大量輸血後に併発する皮疹,下痢,肝障害などの症状を中心とした疾患である.下痢の原因として以前より腸の炎症が指摘されていたが,その内視鏡所見についての論文はない.筆者らは29歳,男性で慢性骨髄性白血病で骨髄移植を受け,GVHDを併発し,下痢,下血を来したためコロノスコピーを施行,腸管GVHDの内視鏡像を観察し,第34回消化器内視鏡学会総会で報告した.筆者らが観察した腸管GVHDの大腸内視鏡所見は全結腸にわたる多発性のびらんで,そのびらんの形は地図状のもの,横軸方向に細長いもの,あるいはそれが癒合したものがみられた.その一部は出血性のびらんであった.びらんからの生検では,炎症に伴う,上皮基底層の空胞化による上皮の剥離が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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