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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻10号

1989年10月発行

今月の主題 分類困難な腸の炎症性疾患

主題症例

回盲弁より40cm口側に発生した単純性潰瘍の1例

著者: 芦田潔1 津留基通1 鄭鳳鉉1 林勝吉1 平田一郎1 大柴三郎1 田口忠宏2 原均2 一ノ名正2 岡島邦雄2

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2大阪医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.1145 - P.1149

文献概要

要旨 患者は36歳の男性で,主訴は臍下部痛であった.来院3か月前より持続的な鈍痛を覚えるようになり,近医で胃X線検査,大腸X線検査,腹部エコーなどが行われたが異常はみられなかった.症状増悪のため当科に紹介入院となった.小腸X線検査で,回盲弁から約40cm口側に幅2.5cmの著明な狭窄がみられ.周堤形成,縦長潰瘍の存在も疑われた.切除標本では,大きさ3.5×2.0cmの境界明瞭な下掘れ潰瘍が腸間膜付着側に存在し,周辺の膨隆もみられた.しかし,縦走潰瘍は存在しなかった.組織学的には潰瘍はUl-Ⅳであり,線維性結合組織の増生により腸管壁は著しく肥厚していた.病理学的診断は単純性潰瘍であった.自験例の潰瘍はまれな部位に発生したことから術前に小腸癌,Crohn病との鑑別を要した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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