icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻10号

1989年10月発行

今月の主題 分類困難な腸の炎症性疾患

主題研究

非特異性多発性小腸潰瘍症の長期経過

著者: 松井敏幸1 飯田三雄1 桑野恭行1 藤島正敏1 八尾恒良2 渡辺英伸3 岩下明徳4 岡部治弥5

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2福岡大学筑紫病院内科 3新潟大学医学部第1病理 4福岡大学筑紫病院病理 5財団法人北里ヘルスサービスセンター

ページ範囲:P.1157 - P.1169

文献概要

要旨 非特異性多発性小腸潰瘍症9例を平均18年間経過観察した結果,本症の主症状(持続する潜出血と貧血),小腸潰瘍の多発,手術後の再発などの病態は従来の記載とは全く変化していなかった.本症は手術によっては完治しないが,栄養療法の導入によって,社会生活に対する障害の程度は改善されている.本症のHLAはCrohn病のそれとは全く異なっていた.また,腸切除後,本症は小腸以外の十二指腸,大腸に特異な病変を生じた.特に十二指腸病変は鋭利な辺縁を有し,周囲の反応に乏しかった.両病変は組織学的に特異的な変化を認めないことより,本症に特徴的な病変の可能性が示唆された.すなわち本症は小腸に限局した疾患ではなく全消化管に及ぶ疾患であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら