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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻10号

1989年10月発行

文献概要

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書評「ターミナルケア医学」 フリーアクセス

著者: 森岡恭彦1

所属機関: 1東京大学

ページ範囲:P.1179 - P.1179

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 平和な世が続き,福祉が充実してくるにつれて,安らかに死にたいとの希求が人々の心に起こり,またわが国でも,不治の患者についてのケアの問題がクローズアップされてきている.

 古くより医師は患者を治すことに熱中し,1日でも生命を延長することを至上主義としてきたきらいがある.しかし,一方において現実には近代医学をしても如何ともし難い患者がおり,このような患者に対しては無益な延命治療に終始するよりも別のことを考えてやるべきであるとの考えが強調されてきているわけである.すなわち,限られた最後の人生を苦痛の少ない,充実したものにしてあげるほうがより良いのではないかということである.医師は何が何でも延命に努力すべきであるという態度を放棄する.そして,患者に残された日々を安らかに過ごさせるように配慮する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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