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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻10号

1989年10月発行

文献概要

症例

Meckel憩室内翻症の1例

著者: 壁村哲平1 山内孝1 西原秀一郎1 三澤正1 中野正寛2

所属機関: 1九州大学医学部第3内科 2九州労災病院内科

ページ範囲:P.1193 - P.1197

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要旨 患者は間歇的右下腹部痛と貧血を主訴に入院した30歳男性.消化管造影検査,内視鏡検査を行い,小腸X線検査で回腸下部に可動性のペニス様腫瘤病変を認めた.腫瘤先端は浅いくびれを有し,茎は辺縁平滑であったが経大腸的小腸X線検査ではKerckring皺襞様のひだを有し小腸粘膜への移行が認められた.以上の所見より小腸良性腫瘍を疑い開腹手術を施行し内翻したMeckel憩室が先進部となった回腸‐回腸型の腸重積を認めた.同部を含め小腸を約10cm切除した.腫瘤先端は潰瘍を形成し,一部に幽門腺様粘膜を認めた.小腸X線検査で特徴的所見を描出すれば内翻Meckel憩室の術前診断は可能であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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