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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻10号

1989年10月発行

文献概要

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書評「Gastric Anisakiasis in Japan」

著者: 荒木恒治1

所属機関: 1奈良県立医科大学

ページ範囲:P.1198 - P.1198

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 「Gastric Anisakiasis in Japan」と題して,アニサキス症の疫学,診断,治療について,企画集約刊行されたことは,大いに意義あることであり,並木正義教授,石倉肇博士に敬意を表する.

 アニサキス症は海産哺乳動物(クジラ,イルカ,トド,オットセイなど)の胃内に寄生する線虫で,その幼虫が回遊海産魚類を第2中間宿主として寄生し,その生造りや,鮨,酢じめなど日本人の古来よりの風習の隙に乗じて,ヒトに侵入し,胃や腸壁に穿入する厄介な病害を与えるものである.本症は1963年日本で報告され,北日本,日本海沿岸地方での発症が問題となったが,最近の流通機構の発達により,日本全国各地に広まり,沖縄でも本症が見られるようになっている.今や日本のみならず,日本食の欧米への進出普及により,本症が世界で大きな話題となってきた.こうした背景から,本書が刊行されたことの社会的意義は極めて大である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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