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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻10号

1989年10月発行

文献概要

症例

大腸の炎症性ポリポーシス(pseudopolyposis)に合併した腺癌の1例

著者: 橋爪陽一1 小出紀2 岡田隆雄3 安蘓正和1

所属機関: 1新日鉄八幡製鉄所病院外科 2産業医科大学第2病理 3九州大学心療内科

ページ範囲:P.1199 - P.1203

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要旨 患者は57歳,男性.上腹部腫瘤を主訴とし,X線および内視鏡により横行結腸の限局性炎症性ポリポーシスと診断され,横行結腸を15cm切除.約8cmの範囲にわたり全周性に樹枝状を呈するポリープが密在し,ポリープ間には浅い潰瘍を認め,一部では亀裂を形成していた.ポリープは粘膜層に覆われて線維結合織性の芯を有しており,基本的には浅い潰瘍性病変と関連して形成された炎症性ポリポーシスの像を呈していた.ポリープを覆う粘膜層には,過形成性陰窩もみられるが,異形成性腺管を有する部が多く,中央部では浸潤の明瞭な腺癌に移行していた.本例は病変中央の癌の領域においても,樹枝状の炎症性ポリポーシス様形態をとどめ,癌は表在性の拡がりを示して,潰瘍形成性癌を認めないという興味深い特徴を有しており,その組織発生に考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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