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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻11号

1989年11月発行

今月の主題 いわゆる“十二指腸炎”の諸問題

主題

十二指腸炎の病態

著者: 小林絢三1 河田佳代子1 根引浩子1 鎌田悌輔1

所属機関: 1大阪市立大学医学部第3内科

ページ範囲:P.1221 - P.1229

文献概要

要旨 慢性十二指腸炎は,過去,現在ともに潰瘍所見がみられないにもかかわらず,十二指腸に発生する原因不明の炎症である.この病態が存在することは,2世紀前から知られている.初期の文献では,この病態の存在は外科的切除標本により,続いてX線的に指摘されている.この病態に対する理解は経口十二指腸生検の導入から進展した.続いて内視鏡の導入は十二指腸の直視あるいは目的部分からの生検診断を可能にした.慢性十二指腸炎の臨床的意義については意見が対立している.Ostrow and Resnickは本病態が過酸,十二指腸炎,十二指腸潰瘍へと進展する潰瘍体質に含まれると主張し,これに対してCheliは,本症には低酸,無酸が多いことから異論を唱えている.したがって長期の多数例によるprospective studyが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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