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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻11号

1989年11月発行

今月の主題 いわゆる“十二指腸炎”の諸問題

主題

内視鏡ルーチン検査の中での十二指腸炎―日本人の十二指腸炎のスペクトラム

著者: 多賀須幸男1 南雲久美子1 原田康司1 山崎忠男1 野ツ俣和夫1 伊藤慎芳1 土谷春仁1 櫻井幸弘1 池上文詔2

所属機関: 1関東逓信病院消化器内科 2関東逓信病院健康管理科

ページ範囲:P.1241 - P.1249

文献概要

要旨 49,452件のパンエンドスコピーで1,232件(2.50%)の十二指腸炎があった.男性1,038件,女性194件,検査件数に対する頻度の男女比は2.8:1である.発赤型(29.9%),びらん型(45.5%),タコイボ型(13.1%),化生型(9.2%),AGML合併型(2.9%)に分類するのが適当であった.発赤型・びらん型・AGML合併型は若年者に,タコイボ型・化生型は高齢者で多い.AGML合併型を除き90%以上が球部内に限局した.十二指腸潰瘍は発赤型17.9%,びらん型31.4%,タコイボ型11.7%で併存し,十二指腸潰瘍⇔潰瘍瘢痕⇔びらん型十二指腸炎を行き来している例がある.胃びらん,胃潰瘍も高頻度で併存する.十二指腸炎が十二指腸潰瘍に進展することはまれで,十二指腸炎が腹痛や不定愁訴の原因とはなることも少ないように思われた.肝炎・黄疸・重篤な疾患・肝動注・TAEは十二指腸炎の原因となることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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