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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻11号

1989年11月発行

文献概要

今月の主題 いわゆる“十二指腸炎”の諸問題 主題症例

長期間経過をみた十二指腸炎の1例

著者: 田尻久雄1 吉田茂昭1 石川勉2 廣田映五3 山田隆治4

所属機関: 1国立がんセンター病院内科 2国立がんセンター病院放射線診断部 3国立がんセンター病院研究所病理 4三菱商事診療所内科

ページ範囲:P.1281 - P.1285

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要旨 患者は51歳,男性.健診の胃X線検査で十二指腸球部から下行脚にかけて粘膜ひだの腫大と結節状隆起を指摘され来院した.内視鏡検査では同部位に山田Ⅰ~Ⅱ型の隆起が多発し,表面に発赤・びらんを伴い,十二指腸炎と診断された.生検組織所見では表面上皮の欠損,腸絨毛の減少ならびに消失,炎症性細胞浸潤,更にBrunner腺の過形成が認められた.無症状であったが年1回のX線検査を定期的に受けていた.6年4か月後の内視鏡検査でも球部から下行脚に発赤・びらんを伴った低い隆起が多発して認められた.本症例は長期間の経過において上皮のびらん・再生が繰り返し起きていたと推測されるが,基本的な形態像は不変であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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