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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻11号

1989年11月発行

文献概要

今月の主題 いわゆる“十二指腸炎”の諸問題 主題症例

十二指腸に興味あるX線所見を呈した糞線虫症の2例

著者: 小田代一昭1 西俣嘉人1 鮫島朝之1 徳重順治1 政信太郎1 山下正策2 森秀美3

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科 2天保山記念病院消化器内科 3天神クリニック

ページ範囲:P.1286 - P.1290

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要旨 第1例は28歳の男性で,嘔気,食欲不振,体重減少を主訴として来院.糞便,十二指腸液より糞線虫幼虫を検出.治療前の経口小腸X線検査では十二指腸は著明に拡張し,下行脚内側辺縁は不整で,その対側辺縁に数個の彎入を認めた.低緊張性十二指腸造影像では下行脚に淡いバリウム斑と大小の顆粒状陰影を認めた.第2例は72歳の女性で,嘔気,食欲不振,下腹部痛を主訴として来院.既往歴として10年前に糞線虫症で入院加療.検便で糞線虫を証明した.治療前の経口小腸X線検査では十二指腸下行脚は軽度拡張し,壁不整,Kerckringひだは消失し,小顆粒状陰影を認めた.急性期の十二指腸内視鏡像はKerckringひだは消失し,褐色調で易出血性の粘膜を認めた.そのときの生検で,十二指腸および胃粘膜から糞線虫の虫体および虫卵を証明した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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