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文献詳細

雑誌文献

胃と腸24巻11号

1989年11月発行

症例

黄色肉芽組織が主体をなしたBorrmann 2型胃癌の1例

著者: 小澤正則1 方山揚誠2 石館卓三2 片山英昭3 落合浩平1 町田純一郎1 藤田正弘1 盛岡元一郎1 山崎総一郎1 大規弘1

所属機関: 1市立函館病院外科 2市立函館病院病理 3市立函館病院消化器科

ページ範囲:P.1299 - P.1302

文献概要

要旨 患者は60歳の女性.食道胃接合部直下の小彎を中心にクルミ大の隆起性病変を認め,易出血性であった.胃癌として手術し開腹所見ではS0N0P0H0 Stage Ⅰで,ほかに病変はなく胃全摘術を施行した.切除標本は4.7×2.8cmのBorrmann 2型を呈し,割面では固有筋層に及ぶ帯黄色病変であった.組織学的にみると腫瘍の主体は泡沫状の組織球と線維芽細胞から成る黄色肉芽組織で,この間に散在性分布をとるわずかの癌病変を認めた.消化管の黄色肉芽腫はまれな疾患であり,加えて癌との併存は自験例が最初の報告である.本症例では病変の肉眼型と癌の分布状態から黄色肉芽組織は癌に反応性に増殖したものと判断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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